住宅 ・ 建築と空間 ・ 建築家
THE BLUE WORKS
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計画地は郊外の小高い丘の上に広がる、地域の伝統的な焼物の工房の跡地である。
クライアントは先代から引き継いで使われなくなった敷地内の工房や家屋などの建物の活用を望んでおり、それに対して敷地内の美しい自然環境をどのように事業として還元していくかが主題となった。
はじめに、この場所の価値とはなんなのかという問いをたてた。
そして、市街地を見渡せる景色、敷地内の桜や梅などの四季折々を感じさせる木々や草花、焼き物を焼く為の窯の煙突など、市街地からさほど離れていない場所ながら、非日常的な魅力ある風景を作っているものたちとそうでないものを線引きし、価値があると判断したものはそのまま残し際立たせるため、それ以外のものを中心に整備した。
建物は収益化するため、雨漏りの修繕、消防設備の設置などの最小限の整備を行い、敷地の雰囲気と相性の良さそうなテナントを誘致した。
元々作業場として小さく分かれていた建物は自然豊かな環境でスモールビジネスを始めたいと望むテナントと相性が良く、7組の魅力あるテナントで埋まり、また似たような感性を持つテナント同士はお互いの客層も近く、売上への相乗効果を与えることにも成功している。