住宅 ・ 建築と空間 ・ 建築家
THE BLUE WORKS
_
計画地である大阪南港エリアは海運の拠点であり、夢洲は海に浮かぶ人工島である。
開催期間が約半年間のイベントのための施設であるため、施工や撤去が低コストで再利用も可能であるような
計画が求められるのではないかと考えた。
敷地周辺には輸送用のカラフルなコンテナが立ち並び、造成用の大量の残土が盛られている。
それらを活用することは、本計画において自然的必然性があるのではないかと考えたのが基本構想である。
大阪という地には見立てや洒落を面白がることができる感性が文化として根付いている。
上方落語なども好例で、人間の持つ想像力を借りて、観客と一体となって作っていく演芸である。
また、日本は海に囲まれ、その美しい景観を室内からの景色として取り込むために、水が引けない場所でもその景色を
抽象化し、枯山水として庭に表現してきた。それもまた、想像力によって海や島を感じていると言えるであろう。
本計画では、そもそもが海や島や隆起した岩の見立てである枯山水をさらにコンテナや残土で表現することで、
「見立ての見立て=洒落」として大阪特有の想像力を大阪の文化として世界へ発信したいと考えている。