住宅 ・ 建築と空間 ・ 建築家
THE BLUE WORKS
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計画地は周辺に豊かな自然の残る郊外の住宅地である。
敷地西側にはクライアントの両親が長年大切に育てている庭や家庭菜園があり、またその奥には緑地が広がっている。
敷地周辺は水質の良い河川や農業用水が流れているのも特徴である。
本計画では、いかに西側の庭を残しながら、その庭や緑地への眺望などのポジティブな要素を取り込み、夏の西日などのネガティブな要素を遮るかが計画の主題となった。
敷地西側の庭と室内をなだらかに繋げるため、中間領域として大きな縁側を設け、室内から操作可能な外部ブラインドを中間領域の外側に設置した。
それにより、夏の暑い時期以外は常に庭との一体感を作り出し、
庭の植物の変化を通じて季節の移ろいを感じることができるとともに、一般的には閉じられることが多く、室内から味わうことの少ない、
ダイナミックに変化していく西の空を楽しむことが可能となった。
夏でも、ブラインドを中間領域の外側に設置しているため、
室内の十分な広がりを感じることができるように計画している。
給水に関しては水質の良い地下水を引き上げ、メインの給水として利用することで、体内からも地域の自然と馴染みながら生活できることを目指している。
外壁の仕上げはクライアントと打ち合わせを重ね選定しているが、
結果的に敷地の北側に望める山並みに近いものになった。
そこには同じ敷地で育ったクライアントの深層に残る記憶がそうさせたのかもしれないと考えている。